琥珀清涼遊戯

 「暑ィー。暑ィでさ土方コノヤロー」
 「るせぇぞ、ホレ」
 突然冷たい感触が俺の頬に当たる。
 見ればキンキンに冷えたジンジャーエールの缶だった。
 俺は躊躇いもなくソレを開けてごくごくと飲む。
 ぷはっと缶から口を離すと、土方さんが此方をじっと見つめていた。
 「アンタ、飲まねェんで?」
 「ああ、いい」
 しゅわしゅわと缶の中で音を立てているジンジャーエール。
 土方さんは甘いものが苦手だからコレも要らないのだろう。
 俺は再び、ごくり、と喉を鳴らして冷たさを味わった。
 「やっぱり少し飲んだらどうです?」
 「いらねーって」
 「うまいですぜ?」
 じりじりと間合いを詰めていっても、土方さんは少しだけ笑うだけで、相手にしようともしない。
 腹は立つが、この距離ならいける。
 俺は土方さんに飛びついて、おもいっきりキスをした。
 「!?」
 「どうです? ジンジャーエール味して……ぅ、んん!」
 土方さんは待ってましたとばかりにどんどんキスを深くする。
 俺の息がすっかり上がってしまった頃に漸く唇が開放された。
 「引っ掛かったな、総悟」

                                    2012.7.5

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